こんにちは。Kabaoです。今日はランドローバーが今年販売を開始した新型車両「ディフェンダー」について徹底解剖していきます。SUVブームの昨今において圧倒的な実力と個性を持つ同車の魅力とは?
ディフェンダーの成り立ち
ランドローバー社が誕生したのは1949年、いまから71年前のことです。英国の自動車メーカーであるローバー社が発表した「ランドローバー・シリーズ1」が最初に発売された車両です。
今でこそ「レンジローバー」に代表されるように高級SUVブランドというイメージを持ちがちですが、当初は実用性をとことん突き詰めたオフロードカーを専門としたブランドだったのです。
先ほど紹介したシリーズ1は、その基本設計を大きく変えることなくその後も長く生産され続けます。1949年の誕生以来、メーカー名と同一の「ランドローバー」と呼ばれていましたが、進化を続ける中で、このクルマは初めてモデルネームを与えられることになりました。1990年のことです。
それが、「ディフェンダー」です。
これは、ランドローバー社において他の車種が増えてきたことが影響しています。先ほども述べた高級SUVの元祖、「レンジローバー」およびレンジローバーと基本性能を共有しつつより実用的に仕立てられた「ディスカバリー」が当時販売されていました。
「ディフェンダー」の名が与えられて以降は、2016年まで生産が継続されました。
つまり、1949年に誕生したクルマが、進化を重ね、名前を変えつつ2016年まで生産されていたのです。
ランドローバー社にとってディフェンダーは同社のアイコンであるとともに精神性そのものといっても過言ではないでしょう。それほどまでに重要で、ファンも多いクルマでしたから2016年の生産中止以降も、復活を望む声は多くありました。
そしてついに、2019年のフランクフルト・モーターショーにて70年目にして初めてのフルモデルチェンジが発表されたのです。
ついに登場、第二世代ディフェンダー
全世界から待望されていたディフェンダーの新型が発表された時、多くの人がその姿に驚いたと思います。長年生産されてそのデザインが定着しているクルマは、大概そのデザインを踏襲して生まれ変わります。ミニやフィアット500、あるいはメルセデス・ベンツのGクラスが良い例です。
しかし、ディフェンダーはその手法を取りませんでした。もちろん随所に先代モデルの特徴を盛り込んではいますが、先代モデルを焼き増しするのではなく、現代版へとブラッシュアップしたのです。
そしてそれはエクステリアデザインにおいてだけでなく、テクノロジーにおいても同じです。
先代ディフェンダーは、「ラダーフレーム構造」というボディ構造をしています。これは、ラダー(はしご)のようなシャシーの上に車体が乗っかっているという作りで、悪路走破性に優れているので他の本格オフローダー(スズキ・ジムニーやトヨタ・ランドクルーザーなど)においても採用されているものです。
しかし新型ディフェンダーは「モノコック構造」を採用しました。これはラダーフレームのようにボディとシャシーが別構造になっていないもので、一般的な乗用車と同じ構造です。これまで、ラダーフレーム構造よりも軽量かつ製造コストも低い一方、剛性面などでオフロードにおいては不利と考えるのが一般的でした。
モノコック化によりオフロード性能を諦めた?そんなはずはありません。新型ディフェンダーのモノコックボディの剛性は、従来の約3倍にまで高められているのです。
つまり、モノコック化は、高性能化と高効率化を両立するための選択だったのです。
新型ディフェンダーの駆動方式はもちろん4WDで、オフロード走行に必要なテクノロジーも満載です。具体的な機能についてはここで紹介しきれないほどです。
日本仕様としてまず投入されるエンジンは、2リッター直列4気筒ターボの「インジニウムエンジン」。これは近年ジャガー・ランドローバーで主流のエンジンで、最高出力300ps/5500rpm、最大トルク400Nm/1500-4500rpmを発揮。これに8ATが組み合わされます。
ボディタイプは2種類用意されます。3ドア5人乗りの「90」(ナインティ)と、5ドア5人乗り、または7人乗りの「110」(ワンテン)です。
2020年9月の時点では、110が先行導入されています。というのも、90については2020年モデルの生産が見送られ、2021年モデルからの供給になったそう。全世界から注目を浴び、初期受注が殺到したところに新型コロナウイルスの影響による工場のストップが重なり生産スケジュールは大幅に乱れているようです。
新型ディフェンダーのスペック・価格
ディフェンダーの成り立ちについて説明したところで、気になるスペック、価格について紹介します。
サイズ
新型ディフェンダーのサイズは、110については
全長(スペアタイヤ含まず) | 4758mm |
全長(スペアタイヤ含む) | 5018mm |
全幅 | 1996mm |
全高 | 1967mm |
ホイールベース | 3022mm |
90の方は
全長(スペアタイヤ含まず) | 4323mm |
全長(スペアタイヤ含む) | 4583mm |
全幅 | 1996mm |
全高 | 1969mm |
ホイールベース | 2587mm |
というようになっています。全高も全幅も約2mということで、前から見た姿はかなりの迫力になりそうです。また、最近の輸入車全般に言えることですが、幅はかなり大きいですね。四角いボディなので取り回しは悪くないと思いますが、駐車場探しには苦労しそうです。ルーフキャリアなどを取り付けると高さも2mを超えてしまうので、その意味でも場所を選んでしまいそうです。
エンジン・トランスミッション
先ほども述べたように、今のところ日本に導入されるエンジンは2リッターガソリン直列4気筒ターボエンジンのみ。トランスミッションは8速ATです。
ただし、海外では3リッター直6ディーゼルターボや、同じく3リッター直6のガソリンターボにマイルドハイブリッドを組み合わせた仕様やさらには2リッターガソリンターボのPHEV車も存在します。このあたりは早期の日本導入に期待ですね。
さらには、5リッターV8エンジンを搭載した最強モデルが登場すると言われています。ニュルブルクリンクでのテストの様子がリークしていますし、最大のライバルとなるであろうメルセデスGクラスには「AMG G63」がラインナップされていることからも実現の可能性は高そうです。
サスペンション形式 は前がダブルウィッシュボーンで後ろはマルチリンクです。ブレーキは前後ベンチレーテッドディスクを装着。110は全車エアサスが標準装備で、乗降時やオフロードでの車高調整が可能です。90ではコイルサスが標準で、エアサスはオプション装着が可能です。
グレード展開
グレードは90、110とも「Defender」、「Defender S」、「Defender SE」、「Defender HSE」およびデビューから1年間の限定設定グレードの「Defender First Edition」がラインナップされています。
ただし、どのグレードを選択しても様々なオプションが選択できるので自分好みの車両を作り上げることが可能です。
ランドローバー社に限らず、輸入車の場合自分好みのオプションを選択してオーダーすると納車までかなりの納期がかかってしまうため、予めメーカーが発注した在庫の中から好みの車両を探すことが一般的です。
ディフェンダーの場合は世界的に供給が追いついていないこともあり、ランドローバージャパンではオプション装備を予め厳選した「CURATED SPEC」を用意しています。CURATED SPECの詳細については、こちらをご覧ください。
プライスリスト
2020年9月現在のカタログモデルの税込み価格は以下の通りです。オプションや諸費用は含みません。
・Defender 90
Defender 90 | ¥4,990,000 |
Defender 90 S | ¥5,820,000 |
Defender 90 SE | ¥6,480,000 |
Defender 90 HSE | ¥7,300,000 |
Defender 90 First Edition | ¥7,390,000 |
・Defender 110
Defender 110 | ¥5,890,000 |
Defender 110 S | ¥6,630,000 |
Defender 110 SE | ¥7,320,000 |
Defender 110 HSE | ¥8,120,000 |
Defender 110 First Edition | ¥8,220,000 |
多彩なオプション
新型ディフェンダーには、4つのアクセサリーパック「エクスプローラーパック」、「アドベンチャーパック」、「カントリーパック」、「アーバンパック」が用意されています。これは、ユーザーのライフスタイルに合わせ、最適なパーツを組み合わせたもので例えばエクスプローラーパックでは、ディフェンダーでの道を選ばない旅を快適にするための装備が選択できます。各アクセサリーパックの詳細はHPをご覧ください。
アクセサリーパック意外にも、数多くのアクセサリーが選択できます。ライフスタイルに合わせて自分だけのクルマを作り上げることも、このクルマの楽しみの一つでしょう。
おわりに
今回は、新型ディフェンダーについて同車の歴史とスペックを中心にお届けしました。Kabaoは既にこのクルマに試乗させてもらっているので、次回の記事では試乗のときに感じたことや、私の理想の仕様をシュミレーションした模様をお届けします。次回もお楽しみに!
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