大人気なホンダの軽自動車「Nシリーズ」随一の個性派、N-ONEが初めてのフルモデルチェンジを行います。先行情報が公開された同車を、早速チェックしていきましょう。
N-ONEってどんなクルマ?
ホンダN-ONEは2012年に販売が開始されました。N-BOXから始まったホンダの軽自動車ラインナップの「Nシリーズ」第三弾として生まれた同車は、「ゼスト」の実質的後継車として位置付けられています。
往年の名車「ホンダN360」をモチーフにした可愛らしいデザインと、軽自動車とは思えないほどの質感を兼ね備えており、普通車からの乗り換え層や小さくても上質なクルマを求めるユーザーに焦点をあてたクルマでした。
当時としては珍しい、ボディとルーフの色が別の2トーンカラーが選択できたことも大きな話題となりました。
ラインナップも豊富に用意され、オーソドックスな自然吸気エンジンを搭載したもでるからハイパワーなターボ車まで、駆動方式もFWDおよび4WDが選択できました。
さらには、当初投入されたモデルは全高が1610mm(4WD車は1630mm)で、一般的な立体駐車場に停めることができなかったことから途中でローダウンモデルを発売、全高を1545mmに抑え、利便性を向上させています。
また、スポーティーモデルの「RS」や、さらに走行性能に磨きをかけた「Moduro X」をラインナップするなど全体的にプレミアム志向のモデルでした。
しかし、登場から8年が経過し他のNシリーズが次々と新型に移行する中でN-ONEの基本設計の古さが次第に目立つようになっていきます。特に安全装備に関しては顕著に遅れが目立っていました。
さらに、スポーティーさを売りにしているモデルにも関わらず、MTの設定が無いこともユーザーの不満の一つでした。
そのような不満点を解消すべく、ついに新型N-ONEが登場したのです。
新型N-ONEの概要
それでは早速、新型N-ONEの概要について項目ごとに確認してみましょう!
エクステリア
エクステリアは、大きく分けて3種類用意されました。
・Original
「オリジナル」は、最もベーシックなN-ONEです。メッキパーツなどを多用せず、極めてシンプルかつクリーンな印象です。先代モデル同様、「N360」をモチーフとした丸目が特徴です。パッと見た感じは先代モデルからほとんど変わっていませんが、ホイールキャップのデザインは一新しましたね。メッキのリングがついているようなデザインがクラシカルな雰囲気を演出しており好印象です。写真の「サーフブルー」を含め6色のモノトーンカラーと、4色の2トーンカラーが選択できます。エンジンは自然吸気のみ、駆動方式はFWDと4WDが選択可能で全車トランスミッションはCVTです。
・Premium/Premium Tourer
より上質な雰囲気を纏っているのが、「プレミアム」系モデルです。「オリジナル」との違いは、フロントグリルにメッキ加飾が施され、開口部も大きくなっている点、フロントバンパーのフォグランプ周りにメッキの加飾がされている点、ドア下部にメッキのサイドシルガーニッシュが装着され、ホイールもアルミに変更されています。普通車と遜色ない、満足感の高いグレードです。ボディカラーは写真の「プラチナホワイト・パール」を含め落ち着いた色調の6色のモノトーンカラーと、4色の2トーンカラーが選択できます。また、このグレードではターボエンジンを搭載した「Tourer」が選択できます。駆動方式はFWD及び4WDで、トランスミッションはCVTです。
・RS
待望のMTが選択出来るのが、RSグレードです。エクステリアの基本形状はプレミアム系と同一ながら、グリルは「RS」のロゴ付きのメッシュタイプに変更になり、サイドシルのガーニッシュやドアノブがブラックに変更されています。ホイールについても15インチの、マットブラックに塗装されたアルミホイールが装着されています。他のグレードと大きく異なるのがヘッドライト・テールランプの配色でRSではインナーカラーがブラックの、精悍な印象のライトが備わっています。カスタムの流行を抑えた仕様ですね。これは人気が出そうです。ボディカラーに関してはモノトーンは「クリスタルブラック・パール」の1色のみであとは4色の2トーンカラーが選択できます。エンジンはターボのみ、駆動方式もFWDのみとなりますが、トランスミッションはCVTと6MTが選択できます。
インテリア
キープコンセプトのエクステリアとは裏腹に、インテリアはかなり進化しました。
まず目を引くのが大型のディスプレイ。取り付け位置も使い勝手が良さそうです。メーター周りも、クラシカルな印象の白文字盤が採用されています。さらに注目したいのはシフトノブの右手にあるスイッチです。これは電動パーキングブレーキとブレーキホールド機能のスイッチと思われます。少し前には高級車にしか備わらなかった機能ですが、惜しげもなく装備されているあたりはさすがホンダですね。面積の大きいインテリアパネルも交換部品やステッカーなどが用意されていそうな気配です。ここを変えるだけで車内の雰囲気が大きく変わりそうです。
こちらは先代モデルのインテリア。シンプルで使い勝手は良さそうですが、比べると新型が圧倒的に質感が高いことがわかります。
先進安全装備
新型N-ONEでは、「HONDA SENSING」が全車に標準装備されています。衝突軽減ブレーキや誤発進抑制機能、車線逸脱制御や歩行者事故低減ステアリングといった安全運転を支援する機能のほか、渋滞追従機能付きのアダプティブクルーズコントロールや車線維持支援システムが装備され、安全かつ快適なドライブを楽しむことができます。
走行性能
最大のトピックは、なんと言っても6MTの採用でしょう。スポーツドライブを楽しみたいユーザー最大の不満が解消されました。ターボエンジンと6MTの組み合わせは同社の軽スポーツ「S660」と同一のパッケージングです。「エスロク」譲りの走りの楽しさに期待ですね!
価格
新型N-ONEの販売価格は、今のところ明らかにされていません。参考までに先代モデルの価格は、¥1,223,200から¥1,773,200といった価格帯でした。今回のモデルでは、「HONDA SENSING」が標準装備されることもあり10万円前後の価格上昇が予想されます。
それを踏まえると、
・Original:¥1,300,000から
・Premium:¥1,650,000から
・RS:¥1,850,000から
といった価格帯になるのではないでしょうか。軽自動車としては、高価格帯に位置するクルマになりそうです。
おわりに
新型N-ONEは、先代モデルの持つ個性はそのままに、ユーザーの声を反映しより喜ばれる改良を施したモデルに仕上がってそうです。
特に「HONDA SENSING」の全車標準採用、6MTの設定は歓迎したいですね。
先代モデルでは、市販車をベースとしたワンメイクレースも開催されていました。新型でもぜひ開催していただきたいです。
実用性と運転する楽しさを兼ね備えた新型N-ONE、販売が開始されたらぜひ試乗に行ってみたいと思います。
今年の秋に販売開始ということなので、楽しみに待っていましょう。
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