こんにちは。Kabaoです。Jam023氏の記事にもあるように、先日個人間カーシェアリングサービスの「Anyca(エニカ)」を利用してトヨタ・GRスープラRZに乗ってきました。皆さんもご存知かと思いますがこの新型スープラはBMW・Z4の兄弟車であり同社の影響が色濃く残っています。私の普段乗っているMINI John Cooper WorksもBMWにより製造されるクルマです。遠い親戚のような関係にある2台を知る立場から、スープラの印象を述べていきたいと思います。
そもそも「エニカ」ってどんなサービス?
エニカとは、個人間でのカーシェアリングを仲介するサービスで、現在5周年を迎えています。通常のレンタカーやカーシェアリングとは違い基本的には個人の所有するクルマを貸し借りするので、非常に幅広いラインナップのクルマを楽しむことができます。私とJam023氏はこのサービスを度々活用し、マツダ・RX-7や日産・フェアレディZなどなかなか乗る機会のないクルマを楽しませてもらっています。
また、ときには格安レンタカー代わりとしても活用しており、日産・フーガを非常にお得にお借りしたこともありました。
上記画像はAnycaのホームページからのスクリーンショットですが、乗ってみたいクルマのジャンルや条件を選択してそれに見合う車両を検索することができます。出てきたリストのなかから乗ってみたいクルマを探しているだけでも楽しいので非常にオススメです。
今回お借りしたトヨタ・GRスープラは、Anycaのプロモーションとして貸し出しが行われている「Anycaオフィシャルカー」です。つまり個人間のシェアリングではなく、Anyca名義のレンタカーをお借りしているわけです。
このスープラは、Anycaサービス開始5周年を記念してシェアが行われており、東京都渋谷区の「代官山T-SITE」に置かれています。1時間1500円〜からと、非常にリーズナブルにスープラを味わうことができます。
オフィシャルシェアカーの場合受け渡しは非対面式で免許証をかざせばOK。密を避けられます。
また、この代官山T-SITEではGRスープラだけでなく、大人気の高級SUV、表参道のジムニーこと「メルセデス・ベンツ G350d」(W463)も同じ金額、1時間1500円より乗ることができます。
新車の納期は1年以上という異常なまでの人気を誇る「ゲレンデ」のオーナー気分をこの値段で味わえるのはこの機会くらいかもしれません。
なお、代官山T-SITEでのシェアリングサービスは、12/27(日)までとなっています。また、貸し出し時間は毎日9:30〜22:30となっているのでご注意を。
MINIとスープラの関係
さて、いよいよ本題に入っていきましょう。
私の所有しているMINI John Cooper Works(F56)というクルマは、皆さんもご存知かと思いますが性格に言えばBMWが製造するクルマです。
ややこしいのは製造している工場がイギリスにある、「BMWが買収したかつてローバー車やオースティンの車を作っていた工場」で生産されていること。ですから「MINI=BMW」というのは正解なのですが「MINI=ドイツ車」というのは微妙なところなのです。(メーカーの所在地と生産国が違うクルマはいくらでもあるのでなんとも言えないところではありますが…そもそも今回の記事で紹介するスープラはメイドインオーストリアですし)
ついでに言うと、BMWの傘下に入って以降のMINIは、日本の車検証上は車名が「BMW」でしたが近年「MINI」に変更になっています。
何はともあれ、MINIの設計、製造にはBMWの技術が多分に盛り込まれているのです。例えば私のクルマに搭載されているエンジン「B48」は、BMWグループにおいて幅広く採用されている4気筒エンジンです。スープラのSZとSZ-Rにも採用されています。
また、インフォテイメントシステムである「iDrive」は、BMWグループのクルマは基本的に全て同じものが使用されています。ですからスープラを含め、MINIからロールスロイスまで基本的には同じシステムを搭載しているのです。そのため「コーディング」という技術でソフトウェアに変更を加えるとBMWやMINIの車両でもロールスロイスの警告音や画面を出すことが可能なのです。
つまるところ、私のMINIと今回試乗したGRスープラは遠からず親戚関係にあるということなのです。
そこで、今回の記事ではスープラのBMWらしさというところに注目してみたいと思います。
GRスープラから感じるBMWらしさ[内装編]
さて、話をGRスープラに戻します。乗り込んですぐに気づくのは、インテリアのスイッチ類の配置がまさにBMWだということ。また気になったのは、BMW系列のクルマはエンジンをかけるときにシートベルトを予め着用しないと独特の警告音がなるのですが、GRスープラも例外なく鳴りました。ただしその音色がBMWではもう使われていない一世代前のものだったのです。
現行BMWで用いられているのがこちら。
そしてGRスープラはこちら。BMWではE型終盤モデル〜F型中盤の時代にかけて採用されていた音色です。
先ほども述べたように、ナビゲーションシステムもBMWのものを使用しています。そのため、ワイヤレスでのApple Carplayへの接続ができて非常に便利でした。
ウインカー位置は当然左です。「輸入車」ですからね。
また内装でもう一点気になったのは、ETC車載器の位置です。近年のBMW車のほとんどは、日本仕様ではETC車載器がルームミラーに内蔵されています。私のMINIもそうです。これが意外と便利で、目視で確認できる位置にあるので差し忘れ&取り忘れが起こりにくいというメリットがあります。
しかし、これがなぜかGRスープラには搭載されていないのです。兄弟車で、同じ工場で生産されるBMW Z4の日本仕様ではルームミラー位置にETC車載器があるのに…
ちなみに、このGRスープラとBMW Z4を生産しているのはオーストリアの自動車製造メーカーである「マグナシュタイヤー」社です。このマグナシュタイヤー社は様々なブランドからの自動車生産を受託している企業で、現在マグナの下で生産されるクルマの一例としては、メルセデス・Gクラスやジャガー・E-ペイスなどがあります。
GRスープラから感じるBMWらしさ[走行フィール編]
内装編はついついマニアックな指摘になってしまいましたが、ここからは走行フィールをお伝えしていきます。
エンジンをかけて少し転がした時点で、その印象は今まで乗ったトヨタのどのクルマにも似ていませんでした。トヨタ車の味付けといえば、全体的に少し余裕を持たせたマイルドな傾向にあるという印象を抱いていましたが、このクルマは例外です。ステアリングは切ったら切っただけ曲がるし、アクセル、ブレーキの反応もリニアです。とはいえ過剰なほどではなく、非常に絶妙なさじ加減です。
これはJam023氏も指摘している通りですが、ステアリングの径は少々大きめに感じました。太さは至って普通です。ここは交換前提なのですかね?
街中を流していると、いい意味でスポーツカーらしくない雰囲気です。3リッターエンジンのトルク感と、しなやかな足回りのおかげで快適でした。トルクバンドが高回転域で下がスカスカで走りにくい、なんてことは全くありません。ただこれが2リッターモデルではどのような感じなのかが気になりました。
首都高速に入るとクルマの雰囲気が一変します。アクセルを踏み込むと、どこまでも止まらないかの如く伸びやかに加速していきます。ATの変速もスムーズです。
アクセルオフすると、バブリング音が車内にまで聞こえます。これは輸入車では近年流行している演出ですよね。これだけのサウンドであればアフターパーツへの交換を行わなくても満足できそうです。
そして走行性能の方は、常識的な速度域では全く破綻をきたさないであろう十分な性能です。コーナリングではFRらしいクイックな動きが楽しめます。
高速走行時も脚が硬いと言う印象は全くありませんでした。ギャップを乗り越えた際も姿勢が変化することなく、足回りで受けた衝撃を剛性の高いボディがしっかりと吸収しています。
総括
ここまで述べてきた通り、GRスープラは非常に完成度の高いモデルでした。
日常ユースからクルマ旅まで、シーンを選ばず走る歓びを体感できる、素晴らしきGTカーだと思います。そのようなクルマを、この時代にトヨタ自動車が販売してくれることに素直に感謝したいですね。
近年ではスーパーGTなどの影響で体育会系なスポーツカーとしての側面の強いスープラですが、本来はセリカの上級車種であり、よりエレガントな立ち位置にあったクルマなのです。今回試乗したGRスープラの味付けはまさにそのような、大人が楽しめるスポーツカーといった雰囲気でした。
乗り始めた当初はトヨタエンブレムをつけたBMWくらいに思っていた節もありましたが、乗ってみるとトヨタがこのクルマに求めた乗り味というものを確実に体感することができました。
おわりにm改めて考えると1時間1500円という価格でこのような素晴らしいクルマを味わうことのできるAnycaのこのサービスは、我々クルマ好きにとって非常に魅力的だと思います。
皆さんもぜひAnycaで気になるクルマを探して乗ってみてください!
今回も最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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